沖縄本島の南部・糸満市に、昔ながらの自然浜が残る美しい名城(なしろ)エリア。そこに、美しいプライベートビーチ・ぷちぷちビーチを目の前に臨む複合型体験施設「海ん道(うみんち)~uminchi~」があります。
「海ん道」はもともと海ぶどうの養殖施設でスタートし、その海ぶどうを利用した摘み取り体験、生海ぶどうソフトクリームの販売、マリンアクティビティ、キャンプ、手ぶらBBQ、民泊など、ぷちぷちビーチを眺めながら沖縄の魅力が体験できる、観光客のみならず沖縄県民にも人気のスポットです。
この「海ん道」を中心に、このたび、糸満市発祥の伝統漁船・サバニの文化を継承するプロジェクトがスタート。DIOはリトリートメニューの開発を行いました。
【「自然に委ねて、自分を解き放つ〜糸満の海人文化と糸満の恵み〜」リトリートプラン ブランドサイト】
サバニ発祥の地として漁師文化継承のプロジェクトがスタート
琉球王国時代から漁業の町・糸満を支えてきた漁師たちは、「サバニ」と呼ばれる木造漁船を使って漁をしていました。その後、サバニは広く沖縄県内、南西諸島と広がっていきましたが、明治時代の頃に糸満市で発祥したと言われています。
ただ、近年はエンジンを使った船や大型船の普及とともにサバニの需要も減少、現在ではサバニの作り手は沖縄県内でも片手で数えられるほどとなりました。そこで、「漁師町・糸満市の伝統的な文化を継承したい」という思いからこのプロジェクトがスタートしました。
文化継承のため、地域のステークホルダーとなる「糸満市(行政)」、サバニ製造の後継者育成、操船技術の継承発展、文化継承発展、サバニ関連産業の振興などを掲げる「糸満帆掛(ふーかき)サバニ振興会」、サバニを観光コンテンツにする取組を進める「一般社団法人 糸満市観光協会」がこのプロジェクトを機に1つのテーブルにつき、「海ん道」のある真栄里(まえざと)という糸満市の小さな地域から沖縄や世界へその文化を発信・継承していく大きな計画がスタートしました。
「海ん道」のリトリートメニューの構築にあたり、糸満の海風を感じられるサバニに乗船する体験はもちろん、サバニへの思いを感じていただけるように、作り手・大城清氏の工房見学、そして、旅を終えた後もサバニや糸満の文化を感じていただけるよう、サバニに使われる宮崎県産の飫肥杉(おびすぎ)を使った「Myお箸づくり」、琉球王朝の宮廷人たちを楽しませた糸満産の魚介類をメインに使ったプライベートビーチでの「サンセットディナー」を組み込むことにしました。
そして、糸満の漁師文化を現在につなげる地域文化の継承という社会的な課題に対して、ステークホルダーを巻き込み、文化を継承していくと同時に関連産業の雇用を生み出すことを目指すためのプロジェクトを伝えるアウトプットを検討していくことになります。
コンセプトづくりに込めた各ステークホルダーの思い
まずは、コンセプトづくりから着手。メニューを提供する「海ん道」、サバニの作り手・大城清さん、糸満市(行政)、サバニの漕ぎ手を育成する糸満帆掛サバニ振興会、それぞれの思いをじっくりとヒアリングさせていただき、コンセプトの柱を5つ添えました。
1.糸満という琉球王国時代から続く漁師町の息吹
2.今も潮や月とともに営まれる生活
3.「海ん道」の素晴らしいロケーション
4.サバニで海に出たときに感じる風と潮の香り
5.琉球王朝のおもてなし料理でも使われた糸満の恵みを使ったディナー
これらを感じられる言葉を紡いでいきました。
そして、ビジュアル(スチール・プロモーションムービー)はこのプロジェクトの思いや、リトリートメニューを提供する空間の魅力を最大限に引き出してくれるスタッフの手で制作し、そのビジュアルコンテンツを最終的にブランドサイトに落とし込んでいきました。
アジアにおける沖縄漁師の活躍を支えたサバニ。その悠久の歴史に思いを馳せて
今もなお沖縄有数の漁師町としての文化が残る糸満市で、沖縄の漁師たちを支えたサバニ。このサバニはつくる工程で一切釘などを使わず、カーブの部分もお湯で熱を持たせて湾曲させていきます。この職人の緻密で正確な技術が、糸満だけでなく沖縄全体の漁師の技術を向上させ、沖縄の漁師たちがアジアで活躍する礎をつくっていました。
それから100年以上の時を経て、今度は、このサバニがアジアをはじめ、世界の人たちに「癒やし」「リトリート」を届けます。コンセプトやビジュアルコンテンツから「海ん道」リトリートメニューの素晴らしさを少しでもご体感ください。
【「自然に委ねて、自分を解き放つ〜糸満の海人文化と糸満の恵み〜」リトリートプラン ブランドサイト】
【「自然に委ねて、自分を解き放つ〜糸満の海人文化と糸満の恵み〜」リトリートプラン ムービー】
【全体監修】デザインイノベーションおきなわ(DIO)
【クリエイティブ・ディレクター】大城直也(DIO)
【コンセプト開発・ビデオコピー】繁田謙(DIO)
【ビデオ・ディレクター】牧野裕二氏
【スチール】長嶺牧子氏
【サイト構築】株式会社ファンズクリエイション